Business Plan / 旅館バーティカルWeb事業案 v1

OTAに払っている手数料を、
宿の武器に変える ── 入口ほぼ無料のサイト刷新から、直販グロースの成果連動へ

前提はふたつ。Web制作はAIでほぼタダになった(9館・約110ページの移行で実証済み)。 一方で、宿の最大級のコストであるOTA手数料(実質15〜20%)は誰も手を付けていない。 この2つを繋げば、地域の宿ぜんぶを底上げする事業が成り立つ。

00この事業、一枚で

左から右へ、宿との関係が深くなるほど、宿のコストが減り、こちらの売上が増える。その成果が次の宿を連れてくる。

宿のコスト減が、そのまま事業の売上になる ── 三段の階段 予約1件(客単価3万円)の宿側コスト OTA経由 4,500〜6,000円 直販(STEP2) 約1,300〜1,800円 STEP 0 ── 入口 サイト刷新 ほぼ無料 AIで制作原価が壊れたから可能 宿: リスクゼロで最新サイト 運営: 収益ゼロ。信頼と接点を得る 続けたく なったら STEP 1 ── 運用 AI更新サブスク 月1万円 LINEで送るだけ・即日反映 データ持出自由・縛りなし 宿: 更新地獄から解放 (管理委託相場 月2〜5万の置換) 運営: 小さなストック収益 +宿のデータと信頼が貯まる OTA依存が 重い宿だけ STEP 2 ── 本命 直販グロース 成果連動 SEO・予約導線・計測を一括で請負 予約エンジンはtripla等の導入代行 課金は「増えた直販」にだけ 新サイト経由の予約1件ごとに数百円 (機械計測で帰属を証明・揉めない) 宿: OTA実質15〜20%→実質数% 差額はそのまま宿の粗利に 運営: ここが収益の本体 宿が得しないと事業も儲からない =利害が同じ向きの料金設計 補助金レバー: 宿側負担を最大4/5補助 成果が出る 事例になる → オーナー仲間へ紹介 次の宿が入口へ ← ここで業界パートナーの紹介が効く 紀伊乃国屋9館 = STEP0〜1を原価提供する最初のショーケース(成果フィーなし)。稼ぐのは、この事例を見て入ってくる外の宿から。
一枚まとめ: 入口ほぼ無料→運用月1万円→直販の増分にだけ成果連動(OTAの1/3〜1/4)。成果→事例→紹介の循環で面に広がる。

01事業の骨子 ── 入口はWeb、本命は直販

サイト制作で稼ぐ気はない。制作・更新は接点づくり(B)、収益の本体は直販化の成果連動(A)、補助金(C)は価格の下支え。

B 接点づくり AI更新つきサイトを月1万円で 即日反映・データ持出自由・縛りなし 管理委託相場(月2〜5万円)の置き換え 目的: 儲けではなく、宿との信頼と接点 OTA依存が重い 宿だけに提案 A 直販グロース(本命) 公式サイト経由の予約を増やす請負 予約エンジン導入(tripla等)+SEO+導線+計測 課金は成果連動: 新サイト経由の予約1件ごと 宿の負担: OTA比 約1/3〜1/4 増えた粗利は宿に残る。成功しないと運営も儲からない C デジタル化・AI導入補助金(2026) 最大450万円・補助率1/2〜4/5。宿側の実質負担をさらに下げる下支え
予約エンジンは自作せず、tripla等の実績あるサービス(稼働1万施設超・導入で予約約2倍)の導入代行に徹する。

02数字で見る ── 予約1件(客単価3万円)あたり

OTA経由 実質15〜20% 4,500〜6,000円 直販モデル 成果フィー+決済 約1,300〜1,800円 ── 差額は宿の粗利に 国内の宿泊予約はOTA経由が約44.9%。この一部を公式サイトに戻すだけで、差額×件数が宿に残る

03役割分担 ── それぞれ、持っているものが違う

業界パートナー(旅館側)

この事業の「入口」を握る

  • 業界のパスと信用 ── オーナー人脈・観光協会・組合。外部の飛び込みと、同業の紹介では成功率が桁で違う
  • 現場の実情 ── OTA依存の実際、宿のオペレーション、本当の困りごと
  • 検証フィールド ── グループ9館という実証の場。「実際に回っている」が最強の営業材料

運営(プロダクト側)

この事業の「中身」を全部作る

  • プロダクト一式 ── AI移行パイプライン(9館で実証済み)・更新システム・LINE依頼の自動反映
  • 構築と運用 ── サイト・予約エンジン導入・SEO・計測。増えた予約の帰属を機械的に証明する仕組み
  • 制度対応 ── 補助金の支援事業者登録・申請支援。事業主体の法人は運営側で用意する

04第1号グループ(紀伊乃国屋)の位置づけ

第1号グループからは、稼がない

9館の移行は原価で提供し、成果フィーも取らない。 対価は3つ ── 事例としての公開、オーナー人脈への紹介、検証データの提供。 第1号グループは顧客ではなく、この事業の最初の証明と位置づける。 収益は、その証明を見て「うちもやりたい」と言った外の宿から得る。

※この線引きを最初に固定するのは、パートナー関係と事業を両方守るための設計。

05組み方のたたき台 ── 小さく始めて、実績で深くする

最初から資本や持分の話はしない。段階を踏んで、実績が出た分だけ深くする。率・条件はすべてたたき台。

まずは紹介ベース ── 業界パートナーの紹介で成約した案件に紹介フィー(成約額の1〜2割を目安に協議)パートナーの稼働: つなぐだけ。リスクゼロ
手応えが出たら営業パートナー ── 提案に同席する案件はレベニューシェアに切り替え売れるほどパートナーの取り分が増える設計
本気で伸ばすなら資本の話 ── 外部の有償案件が回り始めた段階で、出資・持分を含めた形を改めて協議順番が逆(先に持分)だと、関係も事業も壊れやすいため

事業主体は運営側で法人を設立して受ける。契約・請求・責任の主体を明確にし、業界パートナーに法的リスクが及ばない構造にする。

06検証で確認する項目

業界側の実情に依存する5項目。この答え次第で、事業の形を調整する。

Q1. グループのOTA経由比率と、年間の手数料の実額概算でよい。数字がわかると事業計画が現実になる
Q2. 周辺オーナーで、手数料に「本気で」困っているのは誰か「無料ならやる」ではなく「金を払っても解決したい」層の特定
Q3. 観光協会・商工会議所・組合は、誰がどう動くと話が通るか面で広げるときの現実的なルート
Q4. 既存の制作会社との関係の整理方針移行の進め方と、写真・原稿の権利の確認が必要
Q5. 業界パートナーの関与範囲紹介のみ/営業同席/資本参加、のどこまでを想定するか

07次の一歩

9館の移行を今月中に完遂する ── これが事例第1号。すべてはここから試作は公開済み: misasa-pilot.pages.dev
OTA依存がいちばん重い1館で、直販化の試算を作る ── 実数で「年間いくら戻るか」を出す
Q1〜Q5の答えを踏まえて、最初の外部提案先を1軒決める

出典: OTA手数料=実質15〜20%・国内OTA経由比率44.9%(リロホテルソリューションズ調べ)/デジタル化・AI導入補助金2026=最大450万円・補助率1/2〜4/5(willB・ソリマチ解説)/tripla=導入で予約数約2倍・稼働1万施設超(同社発表)/管理委託相場=月2〜5万円(比較ビズ)。数値は2026年7月時点の公開情報。